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help リーダーに追加 RSS 気になるオーモリくん

<<   作成日時 : 2007/06/19 23:46   >>

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私の愛してやまない店の一つに、小さなイタリアンレストランがある。30代と思しきご夫婦が二人きりで営んでいる、席数14ほどのトラットリア。何が素晴らしいかというと、まずこのご夫婦がいつも笑顔で楽しそうに働いていること、そして何よりシェフのお料理が愛情に溢れて、美味しいこと!これはもう一軒のお気に入りであるところの天麩羅屋のご夫婦と不思議なくらい共通している。

美味しいものを食べてもらいたい、という熱意とお客様をもてなす喜びに満ちた店は、清清しい。そしてそんな店には必ず気持ちの良いお客が集い、そんな中に身を置いて美味しいお料理を頂くのは至福である。

そんなイタリアンレストランで、私は少し前から気になることがある。
「オーモリくん」
私が勝手に呼んでいるのだが、それは「大森くん」ではない。
「大盛りくん」なのである。

この店を知ってまだ1年と経っておらず、且つそれほど頻繁に通うわけではない。ランチとディナー、それぞれ月に1度行くかどうかである。なのに、その「オーモリくん」に必ず遭うのだ。
初めて見かけたのが、それこそ私が初めてその店を訪れた日である。
彼は一人で現れて、向かいの席の女性と相席になろうと、全く意に介した様子はなく、涼し気な顔でパスタランチを、「大盛りで」と注文した。
その日は特に何とも思わなかったのであるが、それから大分経ってから二度目に店を訪れた時に、「あっ」と思った。

ご想像に難くない。すぐに思い出したのはイイオトコだったからである、オーモリくんは。すっと背が高く、銀縁メガネが知的な雰囲気を醸し出している。一人で食事をする雰囲気もすこぶるスマート。ふむ、イイオトコというのは忘れないものである。そしてそれ以来数回、行く度に遭遇する彼は変わらず涼し気な雰囲気を漂わせて言うのだ、「大盛りで」。
こちらはたまにしか行かないのに、こう度々遭遇するとなると、ちょびっとばかり「運命かも・・・」と少女趣味的なことを想像して一人苦笑する。
そしてある日私は意を決した。

同じようにオーモリくんが気になる友人と、ディナーに訪れた日のことである。ほとんど最後のお客となって、マダムと呼ぶには若々しく可愛らしい奥さんに見送られた時、我慢できずに聞いてしまった。
「あの、ランチですごく気になるお客さんがいるんですけど…」
すると彼女はひどく嬉しそうに、そしていたずらっ子のように笑って答えてくれた。
「あ〜〜、もしかして、一人でいらして大盛り注文する若い男性でしょ」
「当りです!」
「彼のことは他のお客様も気になってらっしゃるみたいですよ」
「来る度にお見かけするから気になって・・・」
「あの方は週に4回、見えるんですよ」

「!」
運命ではなかった。(笑)週に4日通うオーモリくんに遭わない確率の方が低いではないか。
「だからね」と彼女は楽しそうに続けた。
「残りの1日、どこでお昼食べてるのか気になって(笑)」
「聞いてみたらいいじゃないですか〜」
すると彼女はちょっぴり悲しそうに言った。
「でも、心開いてくれないんですよ。世間話する感じじゃなくて、いつもクールに”大盛りで”って言うだけで、さっと召し上がって、さっとお金置いて帰られるんです」

面白い。

そして彼女は続けた。
「今度、是非是非その方に話しかけてみて下さい〜。」
えっ?私?
「え〜、何でですか」
「だって、私は無理です。壁が・・・」

忙しないランチタイムに見ず知らずの殿方に話し掛けるというのは、流石の私でも無理である。ディナーなら、チャンスを見計らって何とかなるかも知れないが。
しかし、残念なことに、オーモリくんはディナーに訪れたことは一度もないそうである。
謎のオーモリくんはランチタイムオンリーなのだ。

この会話の二日後のランチタイム。
私はその店にいた。
窓際の席で、道行く人が気になって仕方がなかった。途中でにわか雨が激しく振って来た。
オーモリくんは来なかった。初めて遭わなかった。
寂しい気持ちでレジに行き、ご夫婦と私、3人で無言のまま目で会話した。気持ちは一緒だった。
「来なかったね・・・」

オーモリくんは、傘を持っていなかったに違いない・・・。




















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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
特に会話も無いのに周りの人がきになってしまう、そんなオーモリくんが羨ましいです(^O^)
ヒデキング
2007/06/20 09:10
もりもり大盛りを食べる若くてクールなイケメン君♪
それは心ひかれるわね♪
なんて声かけたらいいんだろ?!
ランチタイムにオーモリ君と相席になればいいのにね!

私も学生の頃バイトしていたお蕎麦屋さんでそんな事あったな。毎週日曜日に来る『豚生姜焼き定食』の君。
ソフトマッチョで甘いマスクのお兄さんだったわ♪
大人になってから、隣りの駅のホームで見かけた時はドキドキしたな。今でも思い出の中ではカッコイイお兄さんなのよね♪

としちゃん
2007/06/20 15:19
ヒデキングさん

今のところ、そんなオーモリくんの生活ストーリーを勝手に想像して楽しんでます。(笑)でも、ヒデキングさんも十分周りから気になる存在だと思いますよ。先日スーツ姿をお見かけしましたが、遠くからでもすぐ判りました。残念ながらお声を掛けられませんでしたが。(笑)

emmy
2007/06/20 20:54
としちゃん

私はどこにも「若い」とは書いておりませんよ。しかし「オーモリくん」と言った時点で明らかに私より年下であることは明らかですね。(笑)
私も高校時代、通学電車で毎日見かけるスポーツ刈りで詰襟の硬派な感じの男の子にどきどきしてました。どうやら昔から”ちょっとクール”に目がゆくようです。(笑)
emmy
2007/06/20 21:05
おぉ、そうでしたね。
つい私の願望(妄想?)が入ってしまいました(笑)
クールな男性が好みなのね。。。そういえばアイスマンお気に入りだったね(^^)なるほどなるほど。。。

としちゃん
2007/06/21 00:38
としちゃん

そうです、クール!子供の頃テレビを観て、岩城滉一さんをカッコイイと思っていた私です。(笑)
アイスマンと言えば、映画『トップガン』でも私はトム・クルーズの「マーベリック」よりも、ヴァル・キルマー演じる「アイスマン」が”断然”お気に入りでしたよ!
emmy
2007/06/21 20:57
オーモリくん、素敵ですね。きっと私も一緒にいたらちょっとときめいていたかも・・・。二児の母になってもやっぱりクールなイケメンには弱いのです・・・。
くいしんぼう
2007/07/07 12:47
くいしんぼうさん

その後なかなかお店に行けず、残念ながらオーモリくんにも遭遇できておりません。(笑)くいしんぼうさんも「クールなイケメン」が好みでしたか?!
今度機会があったらご一緒しましょう。
emmy
2007/07/08 21:33

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